のぶさと便り ミツバチおじさん

「日本ミツバチは楽しいね」

ミツバチおじさん、大いに語る

 
日本ミツバチ(東濃日本ミツバチの会HPより)
日本ミツバチ(東濃日本ミツバチの会HPより)

  いま、ほとんどの養蜂は洋バチ(西洋バチ)。日本ミツバチは、実は「東洋バチ」なんだ。日本だけじゃあなく、中国にもいるし、東洋にもともといるハチなんだよ。
 まあ洋バチにもいろいろ利点はあると思うが、やっぱりおもしろいのは日本ミツバチだな。洋バチは金を出せばいくらも買えるが、日本ミツバチは自然なんだ。日本ミツバチを飼うってのは、自然と遊ぶことなんだよ。
    

 
蜂蜜採り作業中のミツバチおじさん
蜂蜜採り作業中のミツバチおじさん

 日本ミツバチはまず、自然に収めること、つまり捕獲から始まる。これが実はいちばんおもしろい。でもそのためにはミツバチの性格を知らなけりゃあね。
 日本ミツバチはもともと大きなケヤキのうろだとか、お宮の縁の下なんかに巣をつくる。南向きで、昼過ぎには薄日がさし、まわりには木がある、そんなところが好きなんだ。

 ただ直射日光は嫌いだし、夏の西日なんかは大嫌い。風も嫌いだが、かといって空気がよどんでるようなとこも嫌がる。周りにある木も、広葉樹が好み、針葉樹は嫌いだな。けっこうえり好みが強いよな。まあ、ここなら誰でも「いい所だなあ」って思うような住環境が好みだってことか。

 
木陰におかれた巣箱
木陰におかれた巣箱

 こういうところに、巣箱を置くわけだが、まず巣になる箱をつくる。もちろん自分でつくるわけだ。箱はタテ型、ヨコ型いろいろだが、30センチ四方で奥行きがあるやつ。杉板がいいね、呼吸してるから。それも新しいのよりも古くなったやつがいい。
  で、巣箱を作って、日本ミツバチが、これなら気に入った、入ろうかな、ってな場所に箱を置いて待つ。

 
春、里山に山桜が咲く
春、里山に山桜が咲く

 ちょうど山桜が咲くころだな。そうして、ミツバチが入るのを待つのさ。入るも入らないもミツバチ次第。ただし一年だめでも、二年、三年で入ることもある。あきらめずに待つことさな。
 おっと、巣箱の入り口は他のハチが入れないようにしなきゃいけない、スズメバチやアシナガバチ、それから洋バチもだな。

 スズメバチは日本ミツバチを襲う。これは大敵だ。襲われたらぜんぶ食われちまう。もっとも敵が一匹だけなら、ミツバチはよってたかってダンゴにして焼き殺す。おれも見たよ。すごいもんだ。

 洋バチも攻撃してきて巣をのっとることがあるな。30分で真っ黒に覆い尽くされて、やられちまう。あと、大敵なのは巣虫。これは蛾の幼虫なんだが、巣をのっとっる。巣虫退治には、一ヶ月にいっぺんは巣の掃除をしてやることだね。

 
クローバーの蜜を吸う日本ミツバチ
クローバーの蜜を吸う日本ミツバチ

 日本ミツバチは、蜜を吸うストローが短いんだ。洋バチは長い。だから、あまり大きい花はダメなんだよ。小さい花がいいね。洋バチと違って、寒さには強い。冬、雪がふっても大丈夫だ。じっとして越冬する。
 そうして、春、山桜が咲くころ、分蜂する。

 まず女王が巣から兵隊を引き連れて出ると、空高く上っていく。どんどん高く上って、最後までついてきたやつと交尾する。そうやっていちばん元気なオスを選ぶわけだ。それから巣に戻って卵を産んで、幼虫になったうち、ロイヤルゼリーをもらったのが新しい女王になる。これは一匹ってわけじゃなく、5,6匹も生まれる。

 やがて女王バチが群れの一部を引き連れて巣から出ていくんだが、出てくのは若くて新しい女王じゃなくて、姑のほうなんだ。ミツバチの巣には多ければ3万匹くらいいるんだが、最初に出てく女王が一万匹もつれてくこともある。で、あとに残る女王のうち、次からは姉、妹の順に出てく。次々群れを引きつれて出て行くわけだから、最後に残る女王の分はわずか、ってこともある。
 巣にミツバチがうまく入ったら、あとはただ秋を待つんだ。秋のよく晴れた日にいよいよ今年の蜂蜜の収穫だ。 

 
秋の里山にもたくさんの花が咲く
秋の里山にもたくさんの花が咲く

 今年は蜜が少ないね。夏の暑さのせいじゃないかと思う。ふつうならひとつの巣から5升はとれるんだが、今年は半分くらい。
 それでも、日本ミツバチは楽しい。日本ミツバチのいる里はいい里なんだよ、ほんとにさ。

 

 

おいしいりんご園を守ろう

タカちゃんのつくるりんごはそれはおいしいりんご!

でも、タカちゃんも75歳、ときどき「寄る年波には勝てねえなあ」なんていう弱音も出る今日この頃です。このままいったらこのおいしいりんご園はどうなるの???

このおいしいリンゴ園をなくしたくない!リンゴ園を守りたい!

そんなわけで、「おいしいリンゴ園を守ろう!プロジェクト」がスタートします。